五月人形は誰が買うのか? | ひなラボ

コラム(五月人形)

2019.11.18

五月人形は誰が買うのか?

五月五日は男の子のお節句です。
男の子の赤ちゃんが生まれて初めて迎えるこの日を「初節句」といい、男の子の健康と幸せを祈って特別にお祝いをします。
さて、そんな初節句を迎えるお宅では、五月人形のご検討をされている方も多いことでしょう。
ひょっとしたら、赤ちゃんのご祖父母から、購入の申し出があった方もいるかもしれませんね。
五月人形とは、本来、誰が用意するものなのでしょうか?

昔はどうしていたの?

日本では昔から、結納をするときに男性が女性に「嫁入りの際の支度金」を女性に贈り、そのお金で女性が家具や調度品などの嫁入り道具を揃える、という風習がありました。

そして、嫁いだお嫁さんが男の子を産んだら、女性の実家(祖父母)が五月人形や鯉のぼりを贈ってお祝いをする、女の子が生まれても、同じように雛人形を贈る。

赤ちゃんが生まれると、男女どちらであっても、母方の実家から初節句品を贈る、というのが一般的な習わしだったのです。

どうして母方の実家なの?

母方の実家がこのように赤ちゃんへのお祝い品を準備するのは、一説には、お嫁入りしてなかなか会えない娘や孫に会いに行くための口実となるから…といわれています。
一方、父方の実家では、初正月(赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月)に破魔弓を贈ることが多かったようです。

しかし地域によって、赤ちゃんのお父さんが長男の場合は父方の祖父母から五月人形を贈る、というところもあり、住んでいるところの風習によっても異なるものでした。

多様化する現代

現在では、家族の形態も多様化し、お祖父さんお祖母さんとは別に暮らしている核家族化が進んだため、なおさら、どちらの家から贈るかということには、あまりこだわりがなくなってきています。
母方が用意する家、父方が用意する家もあれば、両家の祖父母が費用を出し合って、折半で購入する場合もあります。
また、祖父母に費用を出してもらった上で、赤ちゃんのお父さん、お母さんが五月人形を選ばれる場合、
祖父母にたよらず、お父さん、お母さんのみで購入する場合などもあります。

特に、五月のお節句の場合は五月人形を父方で、鯉のぼりは母方で分けて購入したり、
あるいは鯉のぼりの本体は父方で、ポールは母方で、などという分担の仕方をする地域もあり、どれが正解と決まった形はありません。

ただし、祖父母が購入して贈る場合には、事前に赤ちゃんのお父さんお母さん、また両家でよく話し合っておくことが大切です。
先走って片方の家が購入すると、実はもう片方でも準備していた…というすれ違いがあったり、
現代の住環境を考慮せずに大きいサイズのものを贈ってしまって、赤ちゃんのお父さんとお母さんが困ってしまう…というのもよく聞く話です。

編集部の一言

端午の節句は、男の子の健やかな成長と、幸せを祈願するものです。
五月人形を贈りたいという気持ち、みんなでお祝いをする気持ち、そしてそんな気持ちを持った大人が赤ちゃんの周りにいることこそが、赤ちゃんにとって何よりの贈り物です。
「誰が贈るか?」にとらわれることなく、ぜひ皆さまで相談し合い、これぞ、と思える納得の五月人形をお選びくださいね。

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