五月人形の保管方法 | ひなラボ

コラム(五月人形)

2019.12.15

五月人形の保管方法

清々しい初夏の陽気が感じられる5月5日の端午の節句。
さあ、お祝いを終えたら今年も五月人形や鯉のぼりとはお別れです。
来年のお節句まで、キレイな状態でしまっておきたいですね。
お節句が過ぎると、あっという間に梅雨シーズンの到来ですが、実は五月人形は湿気が大敵。
片付ける際はどのようなことに気を付ければよいのでしょう?

五月人形の大敵!湿気を避けるには

端午の節句を過ぎて、月末には梅雨入りの気配が近づいてくる地域もあるでしょう。
梅雨になると湿度があがり、そうは見えなくても片付けの際に箱の中に水分をとじこめてしまいます。
そうなると、五月人形の鎧兜や鯉のぼりにカビが生えてしまうことも。

よって、5月5日を過ぎたらなるべく早めに、カラッと乾燥した晴れた日にお片付けをすることが大切です。
もし、やむを得ず気密性の高い場所や湿度の多い時期に片付ける際には、調湿材を使用するのもおすすめ。
ちなみに、ビニールや樹脂製のケースなど、湿気が逃げない素材に収納するのは避けましょう。

分量と成分に注意!防虫剤の入れ方

鎧兜の威糸(おどしいと)や忍び緒などには、正絹(しょうけん)が使われているものがあります。
その場合、虫食い予防として防虫剤を入れることがあります。
しかし、鎧兜の鍬形などに使用される金属の中には、防虫剤に反応し、変色や腐食するものがあるため注意が必要です。
鎧兜は金属と布や糸などが合わさってできているものですから、布には良くても金属にはダメ、金属には良くても布にはダメ、さらに金属の材質によっても取り扱いが異なる…など、防虫剤との相性が非常に難しいものなのです。

お手持ちの兜の金属が、銅か真鍮かアルミか…なんてことは、知らない人の方が多いですよね。
そのような場合は、販売店に確認をするか、無理に防虫剤を入れなくても良いでしょう。

ちなみに屋外へ飾る鯉のぼりは、昨今はポリエステルやナイロン製の合成繊維がほとんどですから、基本的には虫食いの心配はなく、防虫剤は不要です。

片付けるときに注意すること~鎧兜編~

鎧兜は、片付ける前にまず、柔らかい布やハタキなどで、丁寧にホコリをはらいましょう。
鍬形(くわがた)などの金属部分は、直接手で触れると変色の原因になりますので、布手袋などを着用してください。
兜の本体部分は、忍び緒というあご紐部分を兜鉢の中に入れるようにして、ふくさや薄紙でくるみます。
お櫃(ひつ)がある場合には兜本体はお櫃にしまってください。
弓や太刀などの脇飾りや、飾り台・屏風もホコリをはらって汚れを布でふきとったあとは、それぞれの箱にしまいます。

片付けるときに注意すること~鯉のぼり編~

鯉のぼりは軽く水ですすぐか濡れた雑巾で優しく拭き、ホコリを落とします。
洗う際には、洗濯機の使用は厳禁です。必ず手洗いで、素材にもよりますが洗剤は用いず、真水で洗うと安心です。
浴槽などの水桶に水を張って浸け置き、静かに振り洗いをしましょう。
特に汚れのひどい部分は優しく手洗いしてください。
洗い終わったあとは、水気をきり、陰干しでしっかりと乾かしてくださいね。
ぎゅっと絞ると、アルミ箔などが剥がれる原因となりますので、ご注意下さい。
乾燥後は、しわをのばして折りたたみ、箱に入れます。

洗濯機、クリーニング、乾燥機、アイロンは、色落ちや傷み・破損の原因となりますので使用しないようにしてください。
ポリエステルやナイロン製の鯉のぼりでしたら、防虫剤は不要です。
ポールは乾いた布で拭いた後、矢車や滑車の可動部分には少し油を差してからしまいます。

五月人形をしまう場所

五月人形や鯉のぼりの入った箱は、直射日光の当たらない、風通しがよく高い場所へ置きます。
お風呂の側などは避けて、湿気やカビから守るようにしましょう。
できるなら、十月ごろの乾燥した日に一度箱から出して虫干しをしておくと、さらに良いですね。
虫干しの際は直接日光に当てないようにご注意ください。

編集部の一言

五月人形や鯉のぼりをしまって、また来年のお節句に取り出すころには、お子様の一年の成長が感じられることでしょう。
お節句品は、そんなご家族の歴史が刻まれるものです。
きれいに保管して、次のお節句を楽しみに待ちたいですね。

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