五月人形の人気・流行とは | ひなラボ

コラム(五月人形)

2019.11.05

五月人形の人気・流行とは

五月人形を選び始めたけれど、種類がたくさん!
「どれがいいのか分からなくて、正直困ってる」
「実家の親が勧める五月人形は趣味じゃないし、世代間のギャップを感じる…」
などと、お困りの方も多いことでしょう。
今はどんな五月人形が人気なのでしょうか?
現代の生活にフィットしている五月人形とはどんなものでしょう?

五月人形の種類ー鎧飾り

五月人形の種類その1. 鎧(よろい)飾り

昔ながらの定番、伝統的な形式の五月人形といえば、鎧飾りです。
鎧飾りは、頭にかぶる兜に、胴体や手足の防具もついた一式セット。
たくましく、威厳の感じられるボリューム感が魅力です。
地域によっては「長男には鎧!」というところもあり、ご実家で飾られていたり
おじいちゃんやおばあちゃんの家で見かけた、という方もいるかもしれませんね。

もともと、昔の人にとっての「鎧」とは「体を護る」もの、すなわち「命を守る」ものでした。
鎧は単なる武具ではなく、神様が宿っていて、特別な力をもっている…
そう信じていたからこそ、身に着けて命を預けることができ、
鎧を飾ることで、我が子を病気や災厄から守ることができると、考えられていたのです。

鎧は体全体を覆う武具ですから、サイズも大きくパーツも多いため、購入金額の相場は10万円~20万円程度のものが一般的とされています。
ただ、昨今は時代に合わせて鎧飾りもコンパクト化してきています。

五月人形の種類ー兜飾り

五月人形の種類その2. 兜(かぶと)飾り

コンパクト志向の現代、五月人形の主流となってきたのが、兜飾りです。
鎧の頭部分だけ残した形の兜飾りは、鎧という武具本来の省略版ともいえる形式ですが、
体の中でいちばん大事なところは頭である…というところから、一番「肝」の部分として飾られるようになりました。

兜飾りの種類は、平安時代、室町時代、江戸時代など、実在する勇将の模写のものから、
デザイン性にこだわった創作兜まで、様々なものがあります。
現代はSNSブームも相まって、「お子様のお写真を取りたい」という要望も多く、
お子様が実際にかぶれる着用兜の人気も高まってきていますが、
やはり住環境の変化から、コンパクトに小型化したものが多く販売されています。

兜飾りの相場は材質にもよりますが、5-10万円くらいが通常タイプ、
甲冑師や名のある作家ものでは、15万円以上が主流です。

五月人形の種類ー最近の流行は?

五月人形の種類その3. 子供大将飾り

最近、特に人気が出てきたのは、五月人形飾りとして古くから人気のある子供大将飾りの
「可愛らしいバージョン」です。

子供大将飾りとは、小さな男の子が、鎧や武具を身に着けて、勇ましいポーズをとっているお人形です。

もともとは、幼くともキリっとした顔つきの、威厳のあるたくましいスタイルが好まれてきましたが、
昨今は、幼ない男の子の愛らしさ、あどけなさをそのまま残したような、おぼこタイプの可愛らしい子供大将が多く、
人気が高まっています。

もともと五月人形は赤ちゃんのお父さん、雛人形は赤ちゃんのお母さんが選ぶというご家庭が多かったのですが、
最近は両方ともお母さんが選ぶことが多くなってきたことから、勇ましさよりも、
親しみやすさや愛らしさが注目されるようになってきました。
また、SNSなどでお子様と一緒の写真を投稿される方が増えたことからも、より可愛らしいものが好まれています。

そもそも「五月人形」というくらいなので、お顔のついたお人形スタイルは昔ながらの定番品。
若いお父さん、お母さんにも、両家の祖父母世代にも抵抗なく受け入れられます。

子供大将は、お人形のためのミニチュア鎧をどれだけしっかり手掛けるか、
お顔や手足をどれくらい作り込むかで、お値段が変わってまいります。
おおよそ7-13万円くらいが人気の相場ですね。

ちりめん雑貨やキャラクターのものの五月人形

簡単に気軽に飾れる五月人形としては、ディスニーなどのキャラクターものや、ちりめん生地の和雑貨などもよく見かけます。

季節のお飾りとして、一般的な五月人形の脇に添えて飾る分には手軽で、親族からの贈答品としての人気も高く、好評です。
ただ一般的な鎧兜や子供大将などと比べますと、手仕事の職人技術、作り込みにはどうしても差が出ます。
それゆえ、一生モノとしては意見の分かれるところのようです。

一般的な五月人形は、細部まで手仕事で作られたパーツの組み合わせが多く、その分どうしても高価になりがちです。
それに比べると、樹脂や大量生産できるものは、やはり安価で買いやすいということはあるでしょう。

また、手作り品は再現性が低いため、厳密には世界に2つと無いものになります。
ただ一人の大切な我が子への贈り物として、世界にただ一つのお節句品を贈るということは、
お子様の生涯の守り神という、五月人形の本来の意味にとって、非常に馴染むものであると言えるかもしれません。

一戸建てと集合住宅

さて、五月人形の流行に大きく影響しているのが、現代の住環境です。

都市部の集合住宅など、収納場所や飾るスペースが限られているところが多く、
将来のお引越しなども見据えて、なるべく手軽に飾れ、コンパクトなものを…と考える方が多くなっています。
マンション用としてサイズを抑え、鯉のぼりと兜飾りとをセットにした商品なども出ています。

また、以前は、内飾りとして鎧/兜/子供大将飾り、外飾りとして鯉のぼり、と両方飾る方もいましたが、
現代では、鯉のぼりか内飾りのどちらか片方だけを購入される方も増えてきています。

さらに、かつては長男に豪華絢爛な鎧飾りを購入し、次男・三男には一般的な五月人形を購入する、
という買い方も主流でした。

現代では家庭観が変わってきていることから、長子か否かにあまりこだわらず、
兄弟にそろって同じタイプを用意される方も多いようです。

編集部の一言

五月人形は、安価なものから高価なものまで、
大きなものから小さなものまで、値段もサイズも形状も、実にさまざまです。
ご家庭の環境やお好みに合わせて、ぜひこれはという一式を購入したいものですね。

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