雛人形の主要な工房とそれぞれの違いは? | ひなラボ

コラム(雛人形)

2019.12.11

雛人形の主要な工房とそれぞれの違いは?

愛する我が子のための、大切なひな人形。
一生に一度のものだから、ひな人形選びにはぜったいに失敗したくない、と気負ってしまう方もいるかもしれませんね。
しっかりと勉強して、安心して「我が家にふさわしいお雛様」を選んでほしいものです。
昨今の雛人形は、色もかたちも大きさも、実にさまざま。
全国にはたくさんの雛人形の工房があります。どんな工房が人気なのでしょう?
ひなラボ編集部が総力を上げて調べました。

日本で一番の工房はどこだろう?

ひな人形でいちばん有名な、雛人形の工房(メーカーは)どこ?って言われたら、どこを思いつきますか。
おそらく、「人形の久月~♪」「顔がいのちの吉徳~♪」などの有名どころ、
または、それぞれの地域の大きなお人形屋さんのCMソングが印象に残っているかもしれません。
長年かけて、親しまれたコマーシャルの効果は絶大ですね。
それだけ愛されてきたブランドでもあります。

でも、それは製造メーカー(工房)ではありません。
なぜならば、人形の久月も顔がいのちの吉徳も、【人形問屋】だからです。
問屋というのは製造者から製品を集めて、セットとしてまとめ上げて販売する形態のことです。
いわば、日本全国の職人を束ねている会社です。
ですから、基本的には自社で実際の製造はしていません。

では製造メーカーはどこなんだろうと調べても、これもまた、あまり見つかりません。
ひなラボが総力を上げてお調べしたところ、これには理由があったのです。

それは、お人形の製造は分業で行われているからなんです。
お顔、胴体、衣装の着付け、小道具、飾り台、屏風、お道具、ぼんぼり....
すべて、それぞれ別の会社が製造して、1つのセットにして雛人形ができているのです。
したがって、違う販売店で売られているお人形同士が似ていたり、同じお道具を使っていたりします。
そのため、価格がわかりにくいのですね。

通常、安くいいものを購入したい場合は、製造元から購入するのがお得なのではないか…と考えますよね。
でも、例えば自社でお顔を製造していても、それ以外の台屏風やお道具は仕入れることになります。
仕入れるものの割合が多ければ、結局は低価格での販売は難しくなります。

また、製造の職人工房は零細が多いので、手作りゆえの少量生産がほとんど。
ですので、人形問屋や小売店であっても、特に大量に仕入れるところは、一括で安く仕入れることができます。
そのため、自社で全く作っていなくとも、安価な販売ができる可能性があるのです。

その上で、お顔、胴体、お道具…と、それぞれを制作する優秀な職人は限られているので、
その工房を抱えることで、問屋やメーカーの特徴が出てきます。
それを参考にしながら、なるべく数量を多く販売しているところで見比べてご購入するといいかと思います。

「人形の久月」とは

人形の久月は、なんといっても、ブランド力がありますね。
全国の皆さんが知っている、というのは、やはり強みです。
何かお祝いのものを贈る際に、お互いが知っているブランドというのは安心感が違います。

久月で制作される雛人形の作風は、男性的な表現が多く、特に黒塗りの大屏風に金ぼかし…などの組み合わせは、人形の久月の得意とするところです。
衣装もかわいいというよりは、重厚感があってきらびやかなものが得意です。
関東地方、北陸、東北を中心に全国的に販売されています。

久月で制作される商品は、人形専門店や百貨店と、量販店の商品ラインが別れています。
前者が特にこだわりの強いもの、後者が平均ラインを中心としています。
全国の良質な工房を多くおさえていますから、品質は高く安定しており、
人形業界のトップブランドとして、クオリティの高い人形を中心にラインナップしています。
が、人形業界の中でも会社規模が大きいので、コストは多くかかってきます。

雛人形であればどの種類も扱っているので、基本的に一度は見ることをおすすめします。
特に、高価格ゾーンは必見です。目利きの良さで品質の高さを強みとしていますが、割引は難しい傾向にあります。

「吉徳」とは

吉徳は創業300年を超える東京で一番老舗の問屋です。
江戸時代に徳川家に重用されたことから、徳川家ゆかりの商品を数多く展開しています。
そのため、徳川に縁がある方やその地方の方は特におすすめです。

雛人形は、女性らしい、優美で雅な柔らかなシルエットを得意としています。
伝統的な構図を重んじながら、革新的な女性的なラインを展開しています。
本着せという、本格的な着付けは、価格は張るものの、他社に比べ品質の割にコストも抑えめで特におすすめです。
知名度は久月には劣りますが、皆が安心して購入できます。
ただ、いいものは生産量が少ないので、1月の初旬の時期がおすすめとのことです。

人形の久月と同様に、専門店や百貨店と、量販店の商品ラインが別れていて、
前者が特にこだわりの強いもの、後者が平均ラインを中心としています。
キャラクターのひな人形も展開し、サンリオやディスニー、スヌーピーなどの版権の商品を多く展開しています。

こちらも全国の良質な工房を多く抑えています。
品質は高く安定していますが、人形業界の中で、会社規模が大きいので、コストは多くかかってきます。
雛人形であればどの種類も扱っているので、基本的に一度は見ることをおすすめします。

特に、高価格ゾーンが得意で、目利きの良さで品質の高さを強みとしますが、割引は難しい傾向にあります。
近くにお店がない場合は、インターネット通販でも購入が可能です。

「真多呂人形」とは

東京は上野 御徒町に本社を構える、木目込人形の製造工房です。
京都の上賀茂神社の正統後継者として唯一認められた、木目込人形界のNo.1ブランドです。
木目込み人形の中でもだいたい中くらいのサイズか、それ以上のサイズを得意とし、デザインは男性的でやや古典的なひな人形が特徴です。
胴体は、桐の粉を使った桐塑のみを使い、伝統的で確かなものづくりに定評があります。

経済産業省指定の伝統的工芸品も得意とします。価格帯としては、およそ10万円くらいから展開しています。
大き目のサイズが得意ですが、近年はニーズに応えて小型のひな人形も開発されています。
百貨店では三越などで販売されています。

木目込人形の中で、素材を吟味して、伝統的な技を多く持つ、技術力の高い工房です。
マンション用のコンパクトサイズから、一戸建てにどどんと飾れる大型商品まで網羅し、木目込人形をご検討なら一度は見ることをおすすめします。
金屏風にシンプルな飾り台の平飾りなど、いつまでも飽きのこない定番品は特におすすめです。
構図が落ち着いていて控えめな印象がありますが、毎年飾っていると愛着がわきいつまでも飽きが来ず、シンプルなものこそ品質の良さが際立ちます。
ひな人形は必ず真多呂人形と決めているお客様も多いようです。
近くにお店がない場合は、インターネット通販でも購入が可能です。

「一秀(いっしゅう)人形」とは

木目込み人形の製造工房です。
女流作家 木村一秀による、ころっとした可愛らしいお人形が得意です。
桜などをモチーフとした、明るく華やかな色彩のお人形が多く、主に女性に多く支持を受けております。
台屏風やお道具の素材も、木肌の優しいトーンのものをこだわって取り扱っています。
価格帯もお求めやすいものが多く、コンパクトサイズで場所もとらないことから、
インターネット通販では1,2を競う人気の雛人形です。

編集部の一言

今回は人形問屋2社、販売店2社を紹介しました!
インターネット上で工房も直販をする販売店が出ておりますが、
基本的に、雛人形の顔からお道具まですべてを一社で作る…という会社はないので、必ず仕入れる部材があることになります。
そのため、価格と品質はある程度、比例します。いいものは高く、安価なものはそれなり、ということですね。
極端に安いものは、理由があると思われます。

お子様のための大切な雛人形、しかも1年限りではなく、毎年飾るものですから、しっかりと販売店を吟味しましょう。
今後、アンケートなどで、みなさんの気になる工房を特集していきます。
工房を見比べて比較する記事を書き上げていきますので、どうぞお楽しみに!

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