雛人形の保管方法 | ひなラボ

コラム(雛人形)

2019.12.18

雛人形の保管方法

さあ、楽しい雛祭りを終えて、今年も雛人形とはお別れです。
来年のお節句まで、キレイな状態でしまっておきたいですよね。
お雛様の素材は非常にデリケートなものが多く、少し片づけ方を誤ると、カビてしまったり虫食いの穴が開いてしまったり・・・ということも。
正しい知識を身につけて、来年の雛祭りまでお雛様をしっかり保管しておきましょう。

お雛様の大敵3つ!

さて、お雛様を片付けるときに注意しなければならないのが、「湿気・害虫・直射日光」の3つです。

まず湿気を避けるには、よく晴れて乾燥した日に片付けることが重要です。
お雛様を入れる箱は、通気性の高い紙製か木製のものが適しています。
特に桐製の箱は桐の性質として調湿作用がありますので、お雛様を入れるのに最適。
収納箱が桐製のお雛様も多く登場していますので、保管の面からはそういったものを選ぶのもいいですね。

昨今では、お雛様を片付けるのに、樹脂製の衣装ケースに入れたり、ビニール袋にくるむ方もいますが、これらは通気性が悪いため、お勧めできません。
湿度の低い日でも、空気中には微量の水分がありますし、お人形の衣裳も湿気を含んでいるものです。
そこに密閉性の高い樹脂やビニールなどの素材で覆ってしまうと、湿気を逃がすことができないため、カビや変色の原因になってしまいます。

分量と成分に注意!防虫剤と調湿剤

雛祭りの時期になると、ホームセンターやスーパーで雛人形専用の防虫剤や、調湿材が市販されています。
防虫剤は、お人形に直接触れないようにして、一番大きな外箱の隅に入れておきます。
入れすぎたり、異なる種類の防虫剤を併用すると、化学反応を起こし変色・劣化をしてしまうこともありますので、説明書をよく読んで容量を守り、毎年同じものを使うといいですね。
人形用の調湿材も併せて入れておくと、湿気によるカビや変色の予防になりますが、防虫剤と一緒に入れる際には、説明書を読んで成分に気を付けてください。

片付けるときに注意すること

お雛さまは、基本的に下の段から片付けを始めます。
上の段から片付けると、落とした時に下の段のお人形を傷つけてしまうことがあるためです。
また、お人形のお顔や手足は、直接触ると手の脂がつきシミになりますので、布手袋をしてから触るようにします。
お顔は特に傷つきやすいので、購入時についてきた薄紙でお顔を包んでからしまうと安心ですね。
薄紙がなければ、ティッシュなどを長細く畳み、お顔に巻き付けるようにしておきましょう。巻き付けた後ろ側は付属の紐やセロテープで留めておきます。

お顔を保護したら、胴体部分のホコリをはらっていきましょう。
柔らかいハタキや刷毛、細かい部分には綿棒などを使います。
ハタキや刷毛は素材によってはお顔を傷つけてしまいますので、必ずお顔を保護したあとに使いましょう。
お人形はお人形の箱、お道具はお道具の箱とそれぞれしまっていきます。

お雛様をしまう場所

お雛様の入った箱は、直射日光の当たらない、風通しがよく高い場所へ置きます。
水場からは離して、湿気やカビから守るようにしましょう。
できるなら、十月ごろの乾燥した日に一度箱から出して虫干しをしておくと、さらに良いですね。
虫干しの際は直接日光に当てないようにご注意ください。

編集部の一言

お家にお迎えした、大切な雛人形。
せっかくなら綺麗な状態で保存して、また来年、飾り付けるのを楽しみに待ちたいですね。
翌年、また翌年とお雛様との再会を繰り返すことで、一年ごとのお子様の成長を感じ、お節句の楽しい思い出が積み重なっていくことでしょう。
ご家族にとっても、きっと幸せなひと時となるに違いありません。

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