雛人形はいつまで飾る? | ひなラボ

コラム(雛人形)

2019.11.14

雛人形はいつまで飾る?

雛祭りを終えたあと、雛人形はいつまで飾っていてよいのでしょうか?
ご家庭に小さいお子様がいると、なかなかすぐには片付かないこともありますね。
3月3日を過ぎてお雛様を片付けるを忘れていると、女の子の婚期が遅れる・・・なんて言い伝えを聞いたことがある方もいるかもしれません。
お雛様とは、本来、いつごろまで飾るものなのでしょう?

雛人形を片付ける日

そもそも、雛人形は立春(2月4日)から2月中旬くらいまでに飾り始めます。
節分(立春の前日で、2月3日ごろ)に、豆をまき、鬼=厄を祓ったあとに清浄になった家にお雛様を飾る、という意味合いがあるためです。
一方、片付ける日については、実ははっきりとは決まった日があるわけではないのです。

ただ、2月4日からお雛様を飾り、3月3日に雛祭りをお祝いをするとなると、「季節の節目」という意味からも、なるべく早めに、少なくとも3月の半ばぐらいまでに片付けるというのがいいかもしれません。

また、3月の半ばを過ぎると春のお彼岸が始まりますので、仏事を避けてそれ以前にしまおうと考える方が多いようです。
春のお彼岸とは、春分の日(3月19日か20日)を中日とした、前後3日、併せて7日間のことをいいます。
祖霊を偲んで、お墓参りをしたり、彼岸会などに参加する人もいますね。
とはいっても、お彼岸は仏事といえどいわゆる忌事とは異なりますので、本来はお祝い事と重なっても問題はありません。
旧暦で4月3日に雛祭りをする地域では4月までお雛様を飾りますし、昨今ではインテリア性のあるおしゃれなお雛様も登場していますから、なかには通年飾っているという方もいます。

片付ける日は天気と湿度に要注意

ところで、お雛様を片付ける上で特に注意しなければならないのが、湿気です。
雛人形の髪の毛や着物、お道具に使われる木材などは、湿気が大敵。
ですので、お片付けをする日は、日取りも「晴れて乾燥した日」を選ぶのが重要といえるかもしれません。
じめじめした日に片付けると、箱の中に湿気をとじこめてしまい、カビや変色などお雛様を傷める原因になってしまいます。

お雛様を片付けないと婚期が遅れる?

「3月3日を過ぎてもお雛様を飾っていると婚期が遅れる」という言い伝えを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
中には、1日過ぎると1年遅れる…などと言うところもあるようです。
しかし、上記にあるように旧暦でお祝いするような地域では、そもそも一か月遅れて雛祭りを行いますし、
雛人形の由来や歴史の中にも、特に婚期が遅れるようないわれはありませんので、これは「迷信」と呼べるものでしょう。
急いで片付けようとするあまり、雨の日に湿気を閉じ込めてお雛様を傷めてしまうほうが、よほど問題といえそうです。

編集部の一言

お雛様はそもそも、女の子の災厄を代わりに背負ってくれる身代わり人形です。
節句が終われば、災厄を肩代わりしてくれたお人形は、手元に長く置いておかない方がいい、と考えられたのかもしれません。
あるいは、お雛さまをきちんとお片付けをしないと、だらしがないから、いいお嫁さんになれませんよ・・・など、昔の人が嫁入り前の女の子に言い含めたことが、現代に伝わっているのかもしれませんね。

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