雛人形の役割 | ひなラボ

コラム(雛人形)

2019.12.09

雛人形の役割

雛人形といえば、お内裏様にお雛様、三人官女に五人囃子・・・七段飾りに並べられるたくさんのお人形と、
お人形と一緒に置かれる、手のひらサイズの可愛らしいお道具。

雛人形はもともと、高貴な人の婚礼の様子をミニチュアサイズに表現したものですから、すべてのお人形とお道具に、ちゃんと役割や意味があるのです。
ここでは、雛人形十五人とお道具のそれぞれについて、名前と役割をご紹介していきます。

内裏雛

まずは一番上の段に飾られる「内裏雛」。いわずと知れた「お内裏様にお雛様」の二人のことですね。
そもそも内裏とは、平安京における天皇の私的区域のこと。この内裏にある紫宸殿での天皇・皇后両陛下の結婚の儀を模したものが、雛人形のベースとなっています。
ですから、雛人形の男雛・女雛のペアのことを、皇族の身位である「親王(しんのう)」と呼びます。雛人形で「親王飾り」といえば、男雛と女雛のみのお雛様のことなのです。

三人官女

二段目に飾られるのが「三人官女」です。
「官女」とは、宮廷でお殿様、お姫様の日常の雑務や、身の回りのお世話をするお仕えの女性のこと。
宮廷行事や節会では給仕につくことも多かったようで、雛人形の官女たちもそれぞれ給仕のための道具を持っています。

五人囃子(ごにんばやし)

三段目に「五人囃子(ごにんばやし)」。
五人囃子は、お雛様の婚礼を盛り上げるための能楽を演奏する楽隊です。
演奏を担当する囃子方(はやしかた)4人と、声楽を担当する謡い手(うたいて)1人に分かれており、囃子方は手に能楽器を、謡い手は扇を持っています。
また、五人囃子は元服前の少年であることから、髪(まゆ)を結ばないオカッパ頭であることも特徴です。
五人囃子は能楽ですが、雅楽の楽人「五楽人(ごかくにん)」となることもあります。

随身(ずいじん)

四段目の、老若二人のお人形が「随身(ずいじん)」です。
「随身」とは、いわゆるお殿様・お姫様お付きのボディガード。外出の際には剣や弓矢で、お殿様たちをお守りする役目を担っています。
俗に、右大臣、左大臣とも呼ばれており、右大臣が若者、左大臣が白髭の年配者となっています。

仕丁(しちょう)

五段目の「仕丁(しちょう)」。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、ユニークな顔立ちの三人のお人形です。
雛壇のお人形たちの中で唯一の庶民出身で、宮廷の雑務や外出時の従者を務めており、別名を衛士(えじ)とも呼びます。
関東(江戸)風だと、傘や沓台など外出の時に必要な道具を持ち、関西(京)風だと熊手にほうきといったお掃除の道具を持っています。

嫁入り道具揃い と 御輿(おこし)入れ道具

さらにお雛様のお道具として主に六段目に飾られるのが、「嫁入り道具揃い」。
嫁入り道具といえば、婚礼の輿入れの際に、女性方の実家が用意する数々の日用品や調度品のことですね。
江戸時代の大名の姫君は、本物の婚礼道具や調度品をミニチュアサイズの雛道具にして、嫁入り道具の一つとして持って嫁いだといわれています。
雛人形における嫁入り道具には、箪笥(たんす)や長持(ながもち)、鋏箱(はさみばこ)、鏡台、針箱、火鉢、茶道具、上刺袋(うわさしぶくろ)などがあります。

最後に七段目の「御輿(おこし)入れ道具」は、その名の通りお姫様の輿入れの際の乗り物です。
御駕籠(おかご)、重箱、御所車(ごしょぐるま)の三品で、御所車を牛がひいているものは牛車(ぎっしゃ)とも呼ばれます。

編集部の一言

以上、雛人形の十五人と、飾られるお道具についてご紹介しました。
雛人形の奥深い世界に触れ、お人形とお道具ひとつひとつの意味が分かると、お雛様にいっそう愛着が涌いてきますね。

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